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平成29年7月から順次実施!! 社会保険の適用対策が強化されます
平成29年3月29日付けの厚生労働省の「社会保険の適用促進対策について」という資料に、社会保険の適用対策の更なる強化策が記載されています。
「社会保険の加入状況にかかる実態調査」の結果、未加入被保険者が多い上位5業種は、不動産業(不動産賃貸業等)、建設業、料理・飲食店業、飲食料品小売業、対個人サービス業(理容業・美容業、クリーニング業等)だったようです。
新規事業所対策
実態調査の結果を踏まえ、飲食店営業、理容業・美容業などを対象に、次のような新規事業所対策が行われます。許可等を必要とする厚生労働省所管の業種について、地方自治体等が行う新規営業許可申請時等に社会保険・労働保険の加入状況を確認し、厚生労働省に情報提供を求めるようです。平成29年度7月の運用開始を予定しています。
今後、他省庁所管の許可等を必要とする業種についても、日本年金機構による実態調査の結果を踏まえ、所管省庁に対して、同様の取組を要請する予定とのことです。(建設業の許可申請時においては既に実施されている取組ですね。)
飲食店営業、理容業・美容業は、個人事業主であれば、たとえ従業員が5人以上であっても社会保険(厚生年金保険・健康保険)の強制適用の事業所にはなりません。しかし、法人で許可等の申請をする際は、従業員の人数にかかわらず強制適用になりますので注意が必要ですね。
既存事業所対策
当たり前のことですが、新規事業所対策だけでなく既存事業所対策も行われます。加入すべき被保険者数が5人以上の事業所から、優先的に加入指導等を実施し、適用をすすめるようです。目途として、加入すべき被保険者数が10人以上の事業所が平成30年9月末まで、加入すべき被保険者数が5人以上10人未満の事業所が平成31年9月末まで、とされています。被保険者数が5人未満の事業所については、1人法人事業所などに対して優先的に実施するようです。
お気軽にご相談ください
今後、社会保険の適用対策は強化されていきますので、社会保険の新規適用等についてご相談されたいときは、どうぞお気軽に当事務所までお問い合わせください。
平成29年度新設の助成金!! 人事評価改善等助成金
今年度から新設されました、人事評価改善等助成金をご紹介いたします。
人事評価改善等助成金は、制度整備助成と目標達成助成で構成されています。
1、人事評価改善等助成金 制度整備助成
人事評価制度と賃金アップを含む賃金制度(以下、人事評価制度等)を新設または改定を行った場合に助成を受けることができます。
助成金額は、50万円。
2、人事評価改善等助成金 目標達成助成
制度整備助成に加え、人事評価制度等を適切に運用し、生産性の向上、賃金の2%アップ、離職率の低下に関する目標のすべてを達成した場合に助成を受けることができます。
助成金額は、80万円。
生産性の向上につきましては、生産性要件を満たす必要があります。
生産性要件を満たすためには、助成金の支給申請等を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年前に比べて6%以上伸びていなければなりません。
「生産性要件」について、詳しくは下記をご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html
3、助成金の流れ
①人事評価制度等整備計画の作成・提出
②認定を受けた①の整備計画に基づく人事評価制度等の整備
③人事評価制度等の実施
④制度整備助成の支給申請
提出期間は、人事評価制度等に基づく賃金が最初に支払われた日の翌日から起算して2か月以内です。
⑤制度整備助成の支給 50万円
⑥目標達成助成の支給申請
提出期間は、評価時離職率算定期間(人事評価制度等に基づく賃金が最初に支払われた日の翌日から起算して12か月間)の末日から起算して2か月以内です。
⑦目標達成助成の支給 80万円
就業規則作成、労務管理に活用!! 職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)
職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)の事業実施承認申請の受付が、平成29年2月15日に開始されました。
承認申請の受付は、平成29年2月15日から12月15日までとなっていますが、予算額に達した場合は、12月15日以前に受付が締め切られる場合もあるとのことです。
この助成金は、労働時間等の設定の改善を図り、過重労働の防止および長時間労働の抑制に向け勤務間インターバルの導入に取り組んだ際に、その実施に要した費用の一部を助成するものです。
この助成金でいう「勤務間インターバル」とは、休息時間数を問わず、就業規則等において「終業から次の始業までの休息時間を確保することを定めているもの」とされています。
制度を導入したら○○万円支給されるというものではなく、実施に要した費用の合計額に補助率(4分の3)を乗じた額(上限額があります)が支給されます。あくまで経費助成であることに注意が必要です。
次のような取り組みが支給の対象となり、いずれか1つ以上の取り組みを実施する必要があります。
(1)労務管理担当者に対する研修
(2)労働者に対する研修、周知・啓発
(3)外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
(4)就業規則・労使協定等の作成・変更(時間外・休日労働に関する規定の整備など)
(5)労務管理用ソフトウェアの導入・更新
(6)労務管理用機器の導入・更新
(7)その他の勤務間インターバル導入のための機器等の導入・更新
上記の取り組みから考えますと、会社を設立したばかりの事業主様、就業規則をこれから作成したい又は見直したい事業主様、労務管理用のソフトウェアや機器を導入し、労働時間管理等の労務管理をしっかりとしていきたい事業主様にとって、おすすめの助成金ではないでしょうか。
これらの取り組みは、事業実施承認申請に対する事業実施承認がおりた日から平成30年2月15日までに実施する必要があります。承認がおりる前に実施しないように注意しなければなりません。
職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)についてまとめますと、次のようになります。
(1)勤務間インターバルを導入する必要がある。
(2)この助成金は経費助成である。(上限額あり)
(3)承認申請の受付及び承認後の実施について、期間が定められている。
(4)支給の対象となる取り組みが定められている。
(5)労務管理をしっかりとしていきたい事業主様にとって、おすすめの助成金である。
節税効果がありお得です!「個人型確定拠出年金」
iDeCoの愛称で、最近注目の個人型確定拠出年金。
別に最近新しくできた制度というわけではなく、以前からあった制度です。
ただ、法改正により加入できる方の範囲が広くなり、愛称もつけられ、
制度に対する関心度が高まってきているようです。
ここでは、個人型確定拠出年金のお得な理由をご案内していきます。
個人型確定拠出年金は、加入者が毎月掛金を積み立てて、その積み立てたお金を運用し、
60歳以降に年金又は一時金で受け取る制度です。
いわゆる「自分年金」ですね。
加入者は、予め用意された金融商品の中から選択して運用することになりますが、
選択できる金融商品は、金融機関ごとに異なります。
この個人型確定拠出年金がお得であると言われている理由は、次のことが挙げられます。
①掛金が全額所得控除になること。
所得控除になるということは、所得税、住民税に対する節税効果があるということです。
ただし、加入者によっては掛金の上限が定められています。
②運用益が非課税であること。
③年金として受け取る際は「公的年金等控除」、
一時金として受け取る際は「退職所得控除」の対象となること。
「公的年金等控除」、「退職所得控除」の対象となっていますが、
この控除を超える金額を受け取る場合は、税金がかかります。
「掛金が全額所得控除」・「運用益が非課税」というように課税が繰り延べされることによって、
有利に積立・運用をすることができ、受け取る際には③のような控除の対象にもなるというわけですから、
かなりお得であると言えます。
また、60歳以降の受け取り方法・受け取り時期には検討が必要です。
「公的年金等控除」、「退職所得控除」におさまるように受け取ることができれば、
税金はかからず、この制度のいいところだけを享受できます。
控除の枠におさまらない場合でも、受け取り方法や受け取る時期を考慮することによって、
税金の負担額を下げることができる場合もあります。
まとめますと、個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)は、
◎節税効果がありかなりお得な制度であること、
◎よりお得にするためには、受け取り方法・受け取る時期の検討が必要である、
ということです。
当事務所では、個人型確定拠出年金、企業様向けの選択制確定拠出年金の取扱いをしていますので、
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。